好きなポケカの話:「ニャスパー」「アルセウスVSTAR」「ミッシングクローバー」
『ニャスパー(イヤーキネシス)』(C)
もちろんネコは眠りを司る
ダメカンが雨漏りのように、涙じみのように、 少しずつ少しずつ盤上へ広がっていく、 そういうデッキがいつも好きだ
そして、背後から積み木をくずすようなワザで、 ダメカンデッキの切り札になれるのが、こんなネコだったこと、 それがお気に入りだった
【特性 ねこのしゅうかい】
【特性 ひきよせのうず】
特に「ひきよせのうず」のおかげで、「イヤーキネシス」 からは誰も逃げられず、どこにいても関係なくくらってしまう
当時、人の手(『ボスの指令』『グズマ』)を使うのではなく、 超能力を持ったネコに全て壊してもらうことを夢見た
このやり方では、「フィオネ」のおかげで、本当に人(『ボスの指令』)が必要なく、それを大切に思った
『アルセウスVSTAR』(F)
あまりにも強すぎて、 初めて見たときの衝撃でこれを超えるものは未だにない
このポケモンの好きなところは、
・強力なエネルギー加速(デッキを成り立たせるための「 システム」側面)
└しかも『アルセウスVSTAR』自身が無色、 エネルギー加速も全色いけるから、 タイプの別け隔てがないデッキ、多様性を成立させてくれる。普段なら一緒にいない別タイプのポケモンたち、これもまた共存させてくれる。
・1度だけありえない願いを叶えてくれる、信じがたい特性『 スターバース』
・勝利を目指すのにわりと十分なダメージ
└かなり十分ではなくわりと十分なところもまた、 多様性を許してくれている
大ざっぱに言うとこんな感じ
そして、これらの力を一匹のポケモンが持ってくれていることは「 恵み」としか言いようがない
『アルセウスVSTAR』 が神的な力を持ってくれていたおかげで、 デッキを成立させるために必要な部分を、 何か他のことをするためのカードに変えることができて、 それによってはじめて、生まれるはずのなかったデッキたちが、 宇宙の誕生のように、突然目の前に現れたんだった
当然のように誰もがそのことに興奮するべきだ
『ミッシングクローバー』(B)
今はなき幡ヶ谷のTSUTAYAで、 10円のこのカードを見つけた
初心なポケカプレイヤーだったおれにも、 このカードは絵に描いた餅としか思えず、一蹴した
とはいえとりあえず4枚買って、色んなカードを調べながら、「 これをこうすれば…もしかして…」と模索し始めてもいた
一度始まると、終わることもない
このカードの問題はざっくりいうと
・4枚も手札に持ってくるのはたいへん
・普通に戦った方が早い
など
おれは、あろうことか、攻撃せずに『ミッシングクローバー』 だけでサイドを取るデッキを組もうとした
一度使ったあと、『ミッシングクローバー』 を5回再利用して勝つというもの
こんなことはポケカを少しでも知っていたらありえない話だとわか るはずだが、おれは何もわかっていなかった
【特性 ワンダーギフト】自分の番に1回使える。コインを1回投げオモテなら、自分のトラッシュにあるグッズを1枚、相手に見せてから、 山札の上にもどす。
【サポート ダイゴの決断】
このカードを使ったら、自分の番は終わる。自分の山札にある好きなカードを3枚まで、手札に加える。 そして山札を切る。
とはいえコインゲーなので、『イツキ』(チル手品師) に頼ったりもしたが、案の定ただチルいだけに終わった
色んなポケモンやトレーナーズに頼ってみたが、だめだった
最終的にたどり着いたのが『ドリュウズ(たがやす)』と『 ヌケニン(いのちのうつわ)』『アーゴヨンGX』『 シルヴァディGX』『しまめぐりのあかし』『 ジラーチプリズムスター』『バリヤード(パントマイム)』『 ヤレユータン(さるぢえ)』『ヤーコン』 などを使ったものだった
自分の山札がなくなったあとのおおよその流れは以下
② 『ドリュウズ』 のたがやすを使ってミッシングクローバー4枚を山札に戻す( 山札全てがミッシングクローバーに)→相手の番『ヌケニン』 つきの『ドリュウズ』が倒されれば依然サイド3-2、 しまめぐりつきの『シルヴァディGX』が倒されたら3-1
→ 『バリヤード』特性で『ジラーチプリズムスター』 をサイドに仕込む →『シルヴァディGX』で山札を全て引く →『ミッシングクローバー』4枚使用してサイド2-2 → 『ジラーチプリズムスター』特性でサイド1-2 →ドリュウズたがやすでクローバー戻す
④次の番がくれば『シルヴァディGX』で山札を全て引き『 ミッシングクローバー』使用で勝ち
致命的な穴はたくさんある
要するに何もかもてんでだめだった
そして宝箱の中身は空だと発見するためだけに全てを費していたこ とに気づき、呆然とした
『ミッシングクローバー』などなかったのだ
うすうす気づいてはいたが、諦められなかった
『ミッシングクローバー』 が象徴するのはかないもしない夢を向こう見ずに追いかけた思い出 だが、それ以上におれは、 それが許されていたこと自体のほろ甘さに感動するのだ