二郎のある風景 初訪問集

はじめに(池袋東口

池袋は汚い街だと 来るたびに思う 池袋の二郎 そこまでじゃないなと 来るたびに思う だけど何回も俺は 惰性でここにきてしまう 人生の比喩?

神田神保町

本屋がとても多い街で それらのうち一つに寄った

目黒

風がとても強い日だった 自分ひとりで電車に乗って知らない街に行くのは恐らくこの時が初めてで 俺はひどく興奮していた 寄生虫博物館に寄ったがあまり楽しめなかった 帰りは目黒から自宅まで歩いた 渋谷 原宿 新宿 と歩いていくうちに 足が痛くなってきて コーラを飲みながら 新宿で座り込んだ カラムーチョの看板が俺を見下ろしていた 俺はこの街にある いくつかのかけがえのない記憶を思い返していた 初めてディスクユニオンに行った高校生の時のこと ジェネシスシガーロスで迷って シガーロスを買って帰ったあの日 

桜台駅

家から歩いて行った 暗い道がとても怖くて 電車に乗らなかったことを少し後悔した しばらくすると 明るい道に出て 大学生の集団を見かけるようになった 何かの二次会に向かう行列のようだった 彼らを追い抜くとき 聞こえてきた会話があったが もう忘れた

新代田

何人かで行った 初めて他人と食べに行った二郎かもしれない ハリウッドザコシショウは道を譲らない という知見を得た

荻窪

記憶なし

仙川

記憶なし

三田本店

駅を降りると 突然東京タワーが目の前にあって 驚いた 予期せぬ場所に 予期せぬものが突然現れるという体験 人生で初めてだった 井田さんが突然ビートボックスを披露してきた 人が突然ビートボックスをしてくる体験 人生で初めてだった かえりにビッグボックスのゲーセンで ポーカーをやった アーケードゲームというのを 俺はほとんどやったことがなかった 画面の大きさ 音の大きさ そこに非日常を感じた

松戸駅

近くにComing Soonと書かれた看板があり 俺はそういう店名なのかなと一瞬勘違いした 人に言うまでもないほどの 感情の起伏だったので 俺はそのまま黙っていた こういう風にして やがては忘れてしまう いくつものしょうもない記憶 について考えるとき 側溝に挟まった柿が 頭をよぎる 昔ラジオで 伊集院が言ってたから

西台

駅で 定期をなくしたという女性が焦りながら誰かと電話していた 最近こういうトラブルに陥ってないな と思った 

ひばりが丘

村八分の ライブを 初めて聴いた 有名だけど聴いていないもののうちの一つだった 年を重ねるごとに 自分が聴く音楽の幅を 自分で狭めていっている気がした 街の雰囲気が なんとなく島田市に似ていた 俺が中学に通っていた地元の街 懐かしくなった 中学生の俺 聞こえますか 不安いっぱいの 君はやがて 東京の大学に無事進学し 一人で二郎を食べに行くようになります。

関内

記憶なし

湘南藤沢

中学生のころ家族で湘南に行った 何をしたかほとんど覚えていないけれど 駅前の雰囲気は何となく覚えていた 思い出した 芋虫だ 道端に芋虫がいて 結構大きくて 俺はそいつの写真を撮った気がする 

小岩

ペインクリニックという 病院があった 俺が病院を開くなら 絶対にそんな名前は付けない 痛そうだか ら  そのあと 喫茶店に 寄っ あ んっ  

ブクブクブクブク......